日本は快適だけど、やる前から禁止されていることが多すぎると思う
(この記事は2015年に、ブラジルで半年間過ごした後に日本へ帰国した時に書いた記事です)
日本へ久しぶりに帰国して気が付いたけれど、「日本はやってはいけないことがいっぱいある場所」なんだなと、思います。

帰国前から「中部国際空港に到着したら、名古屋できしめんを食べて、家に帰ろう!」と、楽しみにしていました。冷やしとろろきしめん。
コシのある麺、だしの風味、とろろ芋、久しぶりに味わう日本の味に感動!
めでたし、めでたし。と、食事を終えたころに、ハタと気がついたテーブル上の小さな案内。


携帯電話 使用禁止
持ち込み飲食 禁止
店内 禁煙
渡航前であれば、気に留めていなかっただろうに、この時はふと、「日本っぽいな。」と懐かしい気分がしました。
街中でみかける「しないで欲しい事項」、、、まだ何もしていないのに。
帰国後にはやたらと目につくようになりました。
「トイレをきれいに使いましょう」
「店内が混み合っている時の学習は、ご遠慮ください」
「ここで遊んだあとは、お片づけしてね」
書かれている内容には大賛成です。
周りの人のことを少し思いやる、それだけのことで気持ちよく過ごせる人が増える。いいことだと思います。
だけど。
「やらないでね。」
「しないでね。」
そんなメッセージが、何かをする前からリストアップされている環境には、うっすらと違和感。街中のいたるところで、そっと発信されている状況は少しこわい。
ブラジルから帰って来た身には、
「やっちゃいけないことが、多いなぁ。この国は!」
と、窮屈にも感じました。
そこまでやっていいんかい!ブラジルの自由度(良いか悪いかは別)
というのも、ブラジルではそんなことはなかったからです。むしろ逆で、「こんなこと、やっちゃっていいの!?」と、見ていてヒヤヒヤするくらいの出来事が多かったのです。
例えば、うちの近所にある、公共の広場。そこに植わっている樹に、ある日、誰かが勝手にブランコを装着していました。
住んでいるマンションの庭には、住人の誰かが勝手に、手作りのベンチを設置していました。
スーパーマーケットでは、会計前にお菓子を開けて食べちゃう人もいました。
ブラジルの情報サイトMEGABRASILでは、こんな記事もありました。
人として絶対にアウトなこと(例えば、人殺しや強盗など)は別として、マナー・慣習の範囲で、人々の意識の中での「やっちゃいけないこと」は、日本に比べるともっとおおらかでした。
「え!それもアリなんだ!」
と、最初は驚きましたが、
「そういうこともあるよな。あるある。」
と、時が経つにつれて、だんだんと動じなくなりました。
最終的には、
「人は人、自分は自分。と考えなければ、やってられないな。」
という、思考回路を新規作成してきました。
常識にしばられる必要はなし
常識ってありますが、「その社会・その文化背景においては、その考え方だとうまく作用する。だから、採用している。」という、範囲は限定されたものだと思います。日本とブラジルを比較して、どちらが良い・悪いと判断できるものでもありません。
ただ、「やってはいけない」メッセージに、つねに囲まれて過ごしていることは、なーんかなーんとなく、ヘーンだなーと、気になっています。無意識のうちに、自分の考えが、なくなっていかないか?自分の中の優先順位が「やっちゃいけないことの回避」になってないか?ルールを守ることで、自分の意見を持たなくなっていないか。
たくさんの日本人が、人のことを大切にする気配りを無意識レベルでできちゃうこと。胸をはって世界にアピールしたいほど、私は素晴らしいと思います。
でも。“人の目を気にする文化”は、時に人をきゅうくつにさせることにも、敏感でいたいと思います。
「日本で暮らしていると、なんだか窮屈なんだよな」と感じる人がいたら、私も同じ気持ちです。沢山の恩恵を受けながらも、良いところと改善の余地があるところはきっとどの国でも同居していますよね。
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