【これからの畑のつながり方】野菜ボックスとCSA(2)

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こんにちは、Akikoです。
尾道も梅雨入りして、蒸しムシ、なかなか厳しい季節です。
夜は涼しい風が吹くのが救いです(^^)

さて、前回の投稿では私がやっている野菜ボックスについてご紹介しました。
今回は、そのベースとなっているCSAについてご紹介します。

 

CSAとは何か?

CSA(シーエスエー)とは、Community Supported Agricultureの略で、農作物を、生産者から消費者へ直接に販売する手段のひとつです。直接販売すると言っても、お店やファーマーズマーケットともまた違います。

私は3年前にアメリカの農場に滞在していたのですが、その時にこの仕組みのことを知りました。ここでは、その時の体験と、本やWEBでの独学で得たことをご紹介します。

CSA1 2.jpegCSAは複数名によるグループ単位で、各地に存在します。私が体験したのはアメリカですが、日本にもいくつかあるようです。

グループは、生産者と購入者で構成されます。ここでは便宜上、ファーマー(農作物をつくる人)とメンバー(購入して食べる人)と呼びます。

CSA1 3.jpeg

CSAでの取引は、お店やファーマーズマーケットとは違い、一回ずつの購入ではありません。ある一定の期間を設けた長期契約で、契約期間中、定期的に農作物を供給し続けます。

契約期間や供給する頻度はグループによります。私が知っている範囲では、5月頃から11月頃までの期間、週に1度供給するというスタイルが多いようです。

CSA2.jpeg

農作物への支払い方法も特徴的で、契約期間の最初にメンバーからファーマーに支払います。けっこうまとまった金額になります。

プレビュー

ファーマーは、種まき・作付けの段階で販売先と資金が確保されています。
メンバーに向けて、作物を育てます。

プレビュー-1

ファーマーは、予め決められた量や種類に沿って、農作物を分配します。
分配方法もグループによって様々です。畑までメンバーが受取りに来たり、ファーマーが「ピッキングポイント(供給場所)」へ配達したりです。

私がお世話になった農場では、メンバーが受取にくる形式でした。また、CSAを利用しているマンハッタン在住の友人に聞いたところ、彼らのグループはマンハッタンの中にピッキングポイントがあり、郊外の農場からファーマーがそちらに配達するそうです。

プレビュー-2

CSAは、ファーマーとメンバーが互いに支え合って成り立つ仕組みです。

CSAの販売価格

販売価格は決して安くはありません。安さが売りじゃない点も特徴の一つかと思います。グループ毎に価格は異なりますが、私がお世話になった農場手では、一度の分配分は$25でした。6月から10月まで20週間分配するので合計で$500になります。

まず登録時にデポジットで一部入金、残りを入金期限内に支払うというやり方もあります。また低所得者には、価格を下げその分農作業を手伝ってもらう、という取組みをやっているグループもあるようです。

 

グループ毎に条件は異なる

オーガニック(有機農法)だったり、そうじゃなかったりと栽培方法は、ファーマーやグループによります。また、販売価格も分配の頻度も、受け渡し方法もグループによって違います。そのため、メンバーは自分達に合ったCSAグループを選びます。

CSAのメリット/デメリット

ファーマー

事前に販売先と資金確保があるため、農作業に集中できます。ただ、CSAの収益のみで、農場運営に十分かどうかは疑問が残ります。私が滞在していた先では、ハチミツやアップルサイダー等の加工品をCOOPへ卸たり自社ネット販売もしていました。子ども向けの畑教室やガーデンウェディングプロデュースなど、収益源の柱は何本かあり、そのうちの一本がCSA、という扱いでした。

メンバー

畑から直接届く新鮮な農作物を得ることができます。お店で買うものとは違い、土がついたままだったり、コンテナにどさっ!と入ったものを自分でピックしたりもします。

農業は天候に左右されます。ファーマーの知識と努力を以てしても、どうしようもないこともあり、予め予定していた収穫量に満たない時もあれば、逆に豊作で余るほど分配される時もあります。

そういう時は、「そういうものだ。」としてその状況もグループで分かち合う、という考えが基本にあります。極端な場合を除き、返金などはされません。

またイベント的に農作業の手伝いを募集されるグループもあります。畑での体験は食育の機会でもあります。

またCSAでの分配があれば、よそから野菜を買わなくても済むか?と言えばそうでもありません。人によりますが、一週間の食卓全てをまかなう量や種類は望まない方がよいと思います。実際には、例えばサラダを作るのに、レタスとキュウリはCSAのもの、トマトとキャベツはスーパーで購入したもの。こんな台所事情になります。

 

まとめ

CSAは、正直、面倒くさい仕組みです。その分、他では得難いものを生み出し、持続させるものです。

今の時代、お店に行けば豊富な品揃えが年中陳列されており、その時に欲しいものをお金でサッと購入できるわけです。「雨が多かったから、予定を変更します。」ということもありません。

決められた曜日の、決められた時間内にピッキングポイントに赴く手間もCSA特有のものでしょう。そして、「今日はあなたで最後だから、このカボチャも全部持って行っていいですよー!」という例外もCSAならではです(友人が実際に体験した話です)。

CSAではファーマーとメンバーの関係性ができます。信頼関係が大事な要素でもあります。

「今、畑はこんな状況だよ〜。トマトの芽はこれくらい育っていて、来月には食べごろだよ、待っててね〜!」

「このインゲンマメ、●●さんちの○○ちゃんは去年沢山食べたよねー!またこの季節になったねー!」

メンバーとファーマーで共有されるストーリーがあります。

メンバーがいることで地域のファーマーがいるし、逆もまた然り。世界的な経済の動きが拡大していくなかでも、雇用やお金の巡りを、自分の暮らす地域に存続し続けさせる、CSAにはそれを実現させる一面もあります。

参考文献・ウェブサイト


Amazon.co.jp: Sharing the Harvest_ A Citizen_s Guide to Community Supported Agriculture_ Joan Dye Gussow, Elizabeth Henderson, Robyn Van En_ 洋書Sharing the Harvest: A Citizen’s Guide to Community Supported Agriculture

Elizabeth Henderson(著)

「CSAについて知りたいのなら、まずはこの本がオススメ」と、農場の手伝い仲間に薦めてもらった本。アメリカの様々なCSAグループの状況や、日本のグループについても説明があります。

 

日本語訳もありました。

 

Farm Direct :CSAについての説明を参考にさせて頂きました。

幸せ研究社会研究所:同じく、CSAについての説明を参考にさせて頂きました。

Special Thanks!
3年前に、CSAの現場を体験させて頂いた、アメリカ(ネバダ州、リノ)の農場。
RIVER SCHOOL FARM

ファーム内にあるCSAピッキングポイントで、受け渡し中。クリスマスシーズンだったので、ツリーも飾っていました。

ファーム内にあるCSAピッキングポイントで、受け渡し中。クリスマスシーズンだったので、ツリーも飾っていました。

ファームのオーナーと私。ファームのオフィスです。とってもハッピーな雰囲気でした。

ファームのオーナーと私。ファームのオフィスです。とってもハッピーな雰囲気でした。

 

次回予告

CSAは大好きですが、私自身が一つの土地に根付かない生き方をしているので、CSAを始めることが非現実的です。ただ、あと数ヶ月はここにいますし、将来的にも定期的にここに帰って来る可能性はあります。こんな私でも、CSAのアイデアをベースにしてできることが「野菜ボックス」でした。

次回の記事では、「野菜ボックスの始め方」をシェアしたいと思います。
次回でシリーズ完結となる予定です。

ぜひ、最後までお付き合い下さい(^^)。

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photo by Ansur

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お読み下さりありがとうございます♡

SLEEPY CITY BUGS
Akiko Y. Perfeito

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